ヤクザと、殺し屋と、警視庁外事課(公安)の職員。
あなたなら、誰に肩入れしますか~?
・・・ってな、話では、ございませんが。
ヤクザさんは暴力沙汰で球界追放された元プロ野球選手。
殺し屋さんは、日本人とロシア人のハーフで、元スパイ。
公安の兄ちゃんは、仕事はほどほどに、なイマドキの人。
ま、割と私は、等分に感情移入しつつ。
誰が死んでもいいよ、という心構えで読んでおりました。
(お、おい。アンタ、人が死ぬのを期待しとるのか!?)
私、一匹狼的な、社会的に道を外れちゃった人の話、
結構好きですよ・・・ま、そこそこに暴力的ですね、約2名。
血腥さはそうでもなく、どん底具合も、そうでもないかな。
バランスのとれたエンターテイメントで。
テンポよく、ダレることもなく、一気に読めます。
今野氏の人物描写は、すっきりしてていいですね。
これだけ楽しませてくれたらOK、ではありますが。
正直言うと、ちょっと何か、物足りないかなぁ。
これは今野敏氏の長所なのかもだけど、読後感が爽やか過ぎ。
私、もうちょっと「救いがない」感じの方が好き・・・。
「救いがあり過ぎる」んだなぁ、ひとことで言うと。
あと今野さん、女性を描くの下手。
ステレオタイプ過ぎるだろ~。
いっそ、登場させなきゃいいのに。
あ、ストーリー、成り立ちませんかね。
うーん。スケールもこぢんまりしてるけど。
日本を舞台にスケールあるドンパチ描いたら、ウソ臭いしなぁ。
いいんだと思うよ、これで。匙加減は正しい。
殺し屋さん小説なら、海外物の方がいいな。
すみません、無茶な比較をして。
そりゃ、あちらさんなら火器類が派手でも、
人がバタバタ死んでも、違和感無いですものね。
例えば、A・J・クィネルあたり。
「燃える男」とか、「サンカルロの決闘」とか。大好き。
ハードで、かっこいい。壮絶な復讐劇、素晴らしい!
うん、いい意味でも悪い意味でも優しいんだな、この小説。
猛烈に「救いがない」小説とか読みたくなってきた!
せっかくなら、ちょっと落ち込むくらい、
ダークな部分があってくれた方が、読み甲斐があるじゃない?
って、これは本ではなく、私の性格に欠陥があるんでしょうか・・・。
(2010.11.25)
ビミョウに、お疲れ?な私、「燃える男」ならぬ「萌える男」、
「サンカルロの決闘」ならぬ「さん刈る炉のけっと」という、
それ、作ったんじゃんないの~くらいな打ち間違いをやらかし・・・
そのうち、無意識でトンデモない暴言を吐きかねん・・・要注意だ。
あ。この本。ほんとに、充分に面白くて、上出来な娯楽本ですよ。
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